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世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」(著者;山口 周)

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今回取り上げる本は、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』です。

 

「ロジックが通用しない!」と、壁にぶつかっているビジネスパーソンに、新しい問題解決の手法をお届けします。

 

著者の「山口 周」氏は、人材育成のスペシャリスト。

 

ページ数は257ページありますが、10分にまとめて要点を解説していきます。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』の要点

本書の結論は以下の4つです。

 

  1. これからの時代に必要なのは「感性」
  2. 「美意識」を高めなければならない状況になった
  3. 「真・善・美」を内部化せよ
  4. 「アートに触れる」と美意識は高まる

 

以降で具体例を交えながら、深掘りして解説していきます。

 

1つ目は、“これからの時代に必要なのは「感性」”について。

 

まず、最初に気になるのが「美意識」というキーワード。

 

本書における「美意識」の定義とは、「経営における『真・善・美』を判断するための認識モード」とあります。

 

ひと言でいっちゃえば、「アーティスティックな感性を身につけろ!」ということです。

 

勉強家のみなさんなら、ご存知かもしれません。

 

18世紀後半に活躍したドイツの哲学者「イマヌエル・カント」

 

彼は、その生涯をかけて「真・善・美とは何か?」を考え抜きました。

 

その結果、人が物事を認識するには、「理性」だけでは不十分で、正しい認識や判断には「快・不快」といった「感性」の活用が不可欠、という答えが出たのです。

 

つまりこれからの時代、経営において必要となってくるのは、エビテンスに則った理性だけでなく、「真・善・美」を追求した「美意識」が、とても重要になってくるのです。

 

「エビテンスが最強じゃないの?」って、思いますよね。

 

確かにエビテンスに則った判断は、一見最強に見えます。

 

しかしです。

 

現代は、複雑で不安定で何が起こるかわからない世界です。このような時代において、ビジネスの意思決定は、「分析」「論理」「理性」といったエビテンス重視の考え方では、正解は出せないのです。

 

事実、世界を代表するグローバル企業のエリートたちは、著名なアートスクールに通ったり、知的専門家たちは美術館に設置されているギャラリートークに参加したりと、「美意識を高める」努力をしています。

 

これは、「分析」「論理」といったエビテンスだけでは、正確な判断ができないと認識したからです。

 

このことから、複雑で不安定な世界において、ビジネスの意思決定で重要となるのは、エビテンスではなく、「アーティスティックな感性」だったのです。

 

2つ目は、“「美意識」を高めなければならない状況になった”について。

 

複雑不安定な時代における意思決定には、「美意識」が必要不可欠とわかりました。

 

さて次は、この「美意識」が必要な理由について、もう少し詳しく掘り下げてみましょう。

 

美意識が必要な理由は以下の3つになります。

 

・論理的・理性的な情報スキルの限界が露呈しつつある

・世界中の市場が「自己実現的消費」へと向かいつつある

・システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している

 

順を追って解説しましょう。

 

・論理的・理性的な情報スキルの限界が露呈しつつある

昨今のグローバルな協議において、よく取り上げられる表現が「VUCA」です。これは、米陸軍が現在の世界情勢を表現するために作った言葉です。「Volatility(不安定)」「Uncertainty(不確実)」「Complexity(複雑)」「Ambiguity(曖昧)」の頭文字をとったものです。造語となるくらいなので、それだけ世界情勢が「先行き不透明」であることがうかがえます。

 

こんな時代において、いくらエビテンスを語ったとしても、経営における問題解決や創造力が損なわれるだけなのです。さらにエビテンスに則るということは、誰もが同じ行動を取ることに繋がります。それは、「正解のコモディティ化」となり、他との差別化が図れない状況に陥るのです。

 

・世界中の市場が「自己実現的消費」へと向かいつつある

今や全世界が、「自己実現欲求の市場」になりつつあります。「自己実現欲求」とは、マズローの「欲求5段階説」の最上位に位置する欲求のことです。

 

今までは、この欲求を満たせるのは、世界でもごく一部の人たちだけでしたが、世界的な生活水準が上がり、誰もがこの欲求を満たせる状況になっています。この自己実現欲求を満たすためには、感性や美意識が重要となります。

 

・システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している

今や社会における様々な領域で「法律の整備が追いついていない」という問題があります。実例でいえば「旧ライブドア」や「DeNA」の不祥事です。現代のように変化の速い世界においては、ルールがシステムの変化に追いつきません。このような時代において、質の高いルールを制定するには、「真・善・美」を判断するための「美意識」が必要となってくるのです。

 

以上の3つの理由から、「美意識がなぜ必要なのか?」が、おわかりいただけたと思います。

 

これは、もはや世界の潮流であり、逆らうことはできないでしょう。

 

3つ目は、“「真・善・美」を内部化せよ”について。

 

「真・善・美」を判断するために「美意識」が必要だということがわかりました。

 

さて次は、ここまで何度も登場してきた「真・善・美」について深掘りしましょう。

 

先ほども少し触れましたが、「真・善・美」とは、ドイツの哲学者カントが考えたものです。

 

この「真・善・美」をどうするのかというと、客観的ではなく、主観的に「内部化」します。

 

主観的な「内部のモノサシ」にすることで、美意識が高まるんです。

 

じゃあ「真・善・美」って何?ってなりますよね。

 

まず「真」から行きましょう。

 

「真」とは、文字通り「何が真なのか?」を考えることです。

 

今までの常識は、「論理思考」でした。「○○だから○○」「○○だったから○○」といったように、論理的な思考法によって「真」を導き出していました。しかし、先ほども述べたように今は「VUCA」の時代。この論理的推論が通用しなくなっています。なので、組織の運営は、論理的な推論をしつつも、「直感」に基づいた意思決定を行う必要があるのです。意思決定基準を論理から「直感」といった形で「外部から内部」に転換します。

 

次は「善」です。

「善」とは、「善悪」の判断のことです。「善悪」の判断で最も普遍的なものが「法律」です。でも、現代は「ルールが時代に追い付いていない」状況です。法律的に白黒はっきりしていない状況でリーダーは、何が正しいかを判断しなければなりません。そこで「法律という外部規範」から「道徳や倫理といった内部規範」にする必要があるのです。

 

最後は「美」。

「何が美か?」と問われたとき、今までは「顧客」でした。マーケティング調査を行い「どんなデザインがいいか?」と「市場目線」が優先されていました。しかし、市場が国内だけであれば問題ありませんが、今や世界的な潮流が「自己実現欲求」に向いています。なので、市場調査という「外部」ではなく、「自らの美意識」という「内部」へと判断基準を転換しなければならないのです。

 

このように、現代は「真・善・美」の判断基準を「外部」ではなく、「内部」に転換することが求められているのです。

 

4つ目は、“「アートに触れる」と美意識は高まる”について。

 

「真・善・美」を内部化することで、判断力をアップさせることがわかりました。

 

最後は、みなさんが最も知りたい「美意識の高め方」について解説します。

 

答えは単純で、「アートに触れること」です。

 

実はこれ、すでに科学でも証明されています。

 

ミシガン州立大学の研究チームによると、ノーベル賞受賞者は、「芸術的趣味を持っている確率が高い」ということが明らかとなります。

 

つまり、ノーベル賞受賞者というサイエンスの最高峰の人々は、日頃から「アートに触れていた」ことが証明されたのです。

 

逆に考えれば、日頃から「アートに触れていれば」、ノーベル賞とまではいきませんが、知的パフォーマンスが向上することは間違ないということです。

 

じゃあ、何をすればいいのか?

 

著者は、具体的方法について複数あげていますが、本動画では「哲学に親しむ」をピックアップします。

 

これは、哲学を知ることで、思考の幅を広げようとするものです。

 

そもそも哲学とは、その提唱者が「なぜそのように考えたのか?」「どのような知的態度をもって世界や社会と向き合っていたのか?」という「問い」が起源です。

 

これらを考え抜いた「哲学」から得られる学びは多岐にわたり、「真・善・美」を追求するために必要不可欠なものなのです。

 

以上を踏まえると、自分の思考を鍛えられる「哲学に親しむ」ことで、美意識を高めることができるのです。

 

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』のまとめ。

  1. 「直感・感性」の時代が到来していることを認識しましょう。
  2. 「ロジックが通用しない」時代が到来していることを認識しましょう。
  3. 「真・善・美」をインストールしましょう。
  4. 「アート」に触れる機会を設けましょう。

 

この動画では、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』の超重要なポイントのみに絞って解説してきました。

まだ読んでない人は、この機会にぜひ読んでみてくださいね。