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父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。(著者;ヤニス・バルファキス)

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今回取り上げる本は、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』です。

 

「経済オンチで困っている・・・」と頭を抱えるビジネスパーソンに、「経済とは何か?」をわかりやすくお伝えします。

 

著者の「ヤニス・バルファキス」氏は、ギリシャで財務大臣を務めていた人物。

 

ページ数は246ページありますが、10分にまとめて要点を解説していきます。

『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』の要点

本書の結論は以下の4つです。

 

  1. 格差は「余剰」から生まれた
  2. 市場社会は「3つの要素」で成り立つ
  3. 生産には「借金」が欠かせない
  4. 成功するには「相手を信じる心」を持つ

 

以降で具体例を交えながら、深掘りして解説していきます。

 

1つ目は、“格差は「余剰」から生まれた”について。

 

本書はタイトルからもお察しの通り、「父が娘に語る・・・経済の話」です。

 

著者のヤニスさんは、10代半ばの娘に向けて「経済をきちんと説明できるように」という想いから、本書を生み出しました。

 

なので、とてもわかりやすいです。

 

これほどわかりやすく「経済の本質」が書かれた本はないのではないか、というくらいです。

さて、話は変わりますが、ここで質問です。

 

経済といえば、みなさんは何を思い浮かべますか?

 

たぶん「お金」ではないでしょうか?

 

では、そんなお金って、みな平等に受け取っているでしょうか?

 

違いますよね。人によって、職業によって、または国によって様々です。

 

大きな家に住み、毎日優雅に暮らす人。かたや、食べ物がなくて困っている人。

 

これを「格差」と呼びます。

 

娘は父に質問します。「なぜ、この世にはこんな格差があるの?」

 

父は「世の中には人より賢い人がいて、賢いから他の人たちより、力を持っていろいろなことができる」と答えました。

 

これを理解するには、経済のモトとなる「余剰」を説明する必要があります。

 

今から1万2千年ほど前、人類は土地を耕すことに成功し、作物を収穫できるようになりました。

 

自然の恵みだけに頼らず、生きていけるようになったのです。

 

そこで生まれたのが、自分たちの食べる分と翌年の収穫のために植える以外の余った作物、「余剰」です。

 

農作物の生産によって、とうもろこしや米、小麦などは保存できるので、作物が収穫できなかった時のための備えになったのです。

 

そしてこの余剰が、人類を永遠に変えるような、偉大な制度「文字」「債務」「通貨」「国家」「官僚制」「軍隊」「宗教」といったものの原点になったのです。

 

以上を踏まえると格差は、賢く力のある人々が、余剰というシステムをうまく使ったことによって誕生したのです。

 

2つ目は、“市場社会は「3つの要素」で成り立つ”について。

 

格差は「余剰」という、人類の大発明によって生まれたものでした。

 

さて、ここで質問です。「経済」を成り立たせるものと言えば、何でしょうか?

 

ヒントは、私たちが生きているこの社会そのものです。

 

そう「市場(しじょう)」です。

 

「市場」とは、取引が行われている場所のことですが、実のところ、わたしたちの生きるこの社会そのものが「市場」によって、成り立っているんです。

 

では、市場社会とは一体どんな社会なのでしょうか?

 

この「市場社会」を理解する上で知っておきたいことが、「生産の3要素」です。

 

「生産の3要素」とは、何かを生産するのに必要な要素のことで、「生産手段」「空間」「労働者」を指します。

 

「生産手段」とは、自然から採取する原材料、それを加工する道具や機械、それらを保管しておく建物や柵、インフラ一式のことです。

 

「土地」とは、農場や鉱山、作業場、事務所といった、生産が行われる場所のことです。

 

「労働者」とは、製品を作る人たちのことです。

 

注目すべきは、大昔の社会では、これら3要素はいずれも「商品ではなかった」ということです。

 

例えば「労働者」は、労働市場など存在せず、奴隷のように働かされていました。自分の「労働力を売る」といった概念もなく、領主のいいなりになっていたのです。

 

「生産手段」にしても、奴隷自身が作ったり、同じ領地の職人が作ったりしていました。

 

「土地」も商品ではなく、領主は先祖からもらった土地を売ることはありませんでした。

 

しかし、「市場社会」が生まれると、生産活動のほとんどが「市場」を通して行われるようになります。

 

「労働者」は、自分の労働力と引き換えにお金をもらい、「生産手段」は専門の職人によって作られ、販売されるようになります。

 

「土地」も不動産市場で売買されたり、貸し出されたりするにようになります。

 

このように、生産の3要素が「商品」になったことで、市場社会がはじまったのです。

 

3つ目は、“生産には「借金」が欠かせない”について。

 

市場社会には、「生産の3要素」が必要不可欠でした。

 

さて次は、わたしたちの「一番身近な経済」について解説します。

 

一番身近な経済といえば、やっぱり「お金」ですね。

 

それもちょっとひねって「借金」についてです。

 

答えから言っちゃいますと、この「借金」は経済に、なくてはならないものだったのです。

 

先ほど申し上げた通り、「余剰」は経済にとって必要なものでした。

 

封建時代では、「生産→分配→債務・債権」という流れで、余剰を生み出していました。

 

農夫が土地を耕し、作物を作ります。これが「生産」ですね。

 

そこから領主が、年貢を納めさせます。これが「分配」です。

 

領主は余った作物を売って、お金を稼ぎ、そのお金で物を買ったり、お金を貸したりしました。これが「債務・債権」です。

 

しかし、土地と労働が商品の「市場社会」になると、「生産後」に余剰を分配するのではなく、「生産前」に余剰を分配するようになります。

 

察しのいいみなさんなら、なんとなく見えてきたのではないでしょうか?

 

農夫が生産前に余剰をもらう行為、これって「借金」ですよね。

 

農夫が領主から土地を借り、生産を行います。そして、それらを売ってお金にし、領主に土地の賃料を払い、働き手に賃金を払うようになった。

 

これってもう、会社経営と同じなんです。

 

でも、土地を借りるお金、賃金、道具を揃えるなど、事業をおこすには「資金」が必要です。

起業家にならざるを得なかった農夫たちは、資金がないので、お金を借りるしかなかったのです。

 

ここで合点がいきます。生産前に余剰を分配する=借金をすることが始まったのです。

 

そうです。借金が生産には欠かせない「潤滑油」となったのです。

 

企業が「利益を目的とする」のも、農夫たちは利益を出さなければ、生き延びることができなかったからです。

 

以上を踏まえると、経済に欠かせない生産は、「借金」のおかげで生み出されていたのです。

 

4つ目は、“成功するには「相手を信じる心」を持つ”について。

 

生産をおこなうには、「借金」が必要不可欠でした。

 

さて、いよいよ最後です。

 

最後は、経済の立役者である農夫たち、つまり「起業家が成功するために必要なもの」について触れていきます。

 

ズバリ成功に必要なもの、それが「信じる心」です。

 

頭の中に「?」が浮かんで当然です。

 

なぜ「信じる心」が必要なのかは、200年以上前のフランスの哲学者、ジャン=ジャック・ルソーが考えた寓話「狩人のジレンマ」で説明がつきます。

 

森の中に、狩人の集団がいた。

 

この集団は「網」と「弓矢」だけで鹿狩りにきた。

 

鹿を見つけた集団は、みんなで網で生け捕りにしてから、弓矢で仕留めるつもり。

 

取り囲もうと静かに近づいていく。

 

もし、誰かがヘマをして鹿を逃がしたら、家族がお腹を空かせたまま夜を過ごすこととなる。

するとその傍らで、「ウサギ」が跳ね回っていることに気づく。

 

ウサギなら矢弓で簡単に仕留めることができるが、一家族一食分にしかならない。鹿であれば、仲間全員が数日食える。

 

しかし、誰か一人でもウサギに注意を向けたら、鹿を仕留めることはできない。

 

これこそが「狩人のジレンマ」です。

 

全員が全員を信じ、狩りに集中できれば、鹿という大きなご褒美がもらえる。

 

しかし相手を信じず、失敗への恐れが出てしまうと、ウサギに気持ちが向いてしまう。

 

つまり、鹿を仕留めるためには、個人の協力だけでなく、「みんなが協力するだろう」と心をひとつにすることが必要なのです。

 

以上を踏まえると、起業家または会社が成功するには、ジレンマに陥ることなく、相手を信じることが重要だったのです。

 

『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』のまとめ。

  1. 「余剰」が成功へのヒントと心得ましょう。
  2. 市場社会のルーツを知り、「今の現実」と置き換えてみましょう。
  3. 「借金は社会にとって必要なもの」と捉えましょう。
  4. 業績を上げたければ、「信じましょう」。

 

この動画では、本書の超重要なポイントのみに絞って解説してきました。

まだ読んでない人は、この機会にぜひ読んでみてくださいね。