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トレードオフ 上質をとるか、手軽をとるか(著者;ケビン・メイニー)

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今回取り上げる本は、ジム・コリンズ、ダニエル・ピンクなど、数々の有名著者が絶賛する『トレードオフ 上質をとるか、手軽をとるか』です。

 

「モノが売れない」と嘆く、セールスパーソンに、「その理由」と「新たなる視点」をお届けします。

 

著者の「ケビン・メイニー」氏は、数々の有名企業の「成功と失敗」を、目のあたりにしてきたコラムニスト。

 

ページ数は261ページありますが、10分にまとめて要点を解説していきます。

『トレードオフ 上質をとるか、手軽をとるか』の要点

本書の結論は以下の4つです。

 

  1. 世の中は「トレードオフ」で成り立っている
  2. 上質度は、「経験」「価値」「ならでは」
  3. 手軽度は、「簡単」「安い」
  4. 上質と手軽の選択には、「留意点」がある

 

以降で具体例を交えながら、深掘りして解説していきます。

 

1つ目は、“世の中は「トレードオフ」で成り立っている”について。

 

そもそも、本書のタイトルでもある「トレードオフ」とは、どんな意味なのでしょうか?

 

トレードオフを直訳すると、「取引」「商い」「貿易」などの意味を持つ、「trade」と、「離れる」「去る」といった意味を持つ「off」からなる言葉です。

 

転じて「何かを手に入れるためには、何かを手放さなければならない」「目的に向けて、一方を立てれば、他方がまずくなる」といった関係性を表します。

 

著者と親交の深い、ジム・コリンズ氏は、このタイトルに次のような概念を持ちます。

 

「心を鬼にして、上質さと手軽さのどちらかひとつに懸けようとする者は、煮え切らない者よりも大きな成果を手にする」

 

これは、「上質さ」か「手軽さ」のどちらかに絞り、自分が抜きん出る可能性のある分野だけに力を注ぐことで、大きな成果が出せるという意味です。

 

わたしたちは、成果を求める時、「何もかもやらなければ」と思ってしまいます。しかし、「トレードオフ」の関係から見ると、あれこれ手をつけてしまうと、大事な何かを手放さなければならないのです。

 

さて、ここで気になるのが、先ほど登場した、「上質さ」と「手軽さ」です。

 

実のところ私たちは、日々の暮らしの中で何かにつけて「上質さ」と「手軽さ」を天秤にかけています。

 

「野球の試合をテレビで観るか、スタジアムで観戦するか」

「電話をかけるか、直接会うか」

「ファストフードを食べるか、レストランで食べるか」

 

これらは、「市場」でも同じことが起きています。

 

つまり、ビジネスの命運を決めるのは、市場で起こっている「上質さ」と「手軽さ」の天秤が、どう振れるかを知ることなのです。

 

以上のことから、「トレードオフ」という概念のもと、「上質さと手軽さの天秤」を考えることが、ビジネスで大きな成果を出すヒントだったのです。

 

2つ目は、“上質度は、「経験」「価値」「ならでは」”について。

 

成果を上げるには、「トレードオフ」を知りながら、「上質さと手軽さの天秤」を考えることでした。

 

さて、本項では、「上質さと手軽さ」の「上質さ」について、さらに深掘りしていこうと思います。

 

「上質さ」とは、断片的なものではなく、「経験全体」を指します。

 

例えば、「ロックコンサート」であれば、サウンドそのものの「質」ではなく、会場で展開される「全体」のことです。サウンドの質だけなら、ステレオでCDを聞く方がよいでしょう。

 

アーティストが目の前で演奏する姿、照明や効果、観客たちなどを包括したすべての「経験」。つまるところ、「極上の体験」のことを「上質さ」と表します。

 

この「上質度」は、次のような式で成り立ちます。

 

「上質=経験+オーラ+個性」

 

「経験」とは、先にあげた「極上の体験」のことで、上質であるかどうかは、商品やサービス全体にまつわる経験全体によって決まります。

 

「オーラ」とは、「目に見えない価値」のことです。目の前の演奏と、ステレオから流れる音では、価値に大きな差があります。

 

「個性」とは、「自分ならでは」のことです。私たちが何かを購入する行為は、「自分らしさ」を伝えるための要素があります。自分の個性を演出してくれる商品やサービスは、上質になるのです。

 

この3つの足し算によって、「上質度」は決定されるのです。

 

以上を踏まえると、「上質さ」を考えるのであれば、「経験」「オーラ」「個性」の3つを念頭に入れる必要があったのです。

 

3つ目は、“手軽度は、「簡単」「安い」”について。

 

成果を上げるには、「トレードオフ」を知りながら、「上質さと手軽さの天秤」を考えることと述べました。

 

次は「上質さと手軽さ」の「手軽さ」について、深掘りします。

 

「手軽さ」とは、望むものの手に入りやすさ、手に入りにくさの度合いを表します。すぐに手元に届くか、実行しやすいか、使いやすいか、安いか、などが焦点になります。

 

例えば「音楽」であれば、Apple Musicなどのストリーミングサービスを使えば、月額1,000円程度で多くの楽曲の中から好きな音楽が聴き放題になります。

 

反面「極上の体験」とは言い難いでしょう。

 

この「手軽度」は、次のような式で成り立ちます。

 

「手軽=入手しやすさ+安さ」

 

「入手しやすさ」

これは、望む結果を「どれだけ簡単に得られるか」にかかっています。便利であればあるほど、手軽度は高まります。例えば「食事」。冷凍食品は、調理が手軽です。野菜を切ったり、肉を焼いたりという手間はなく、パッケージから取り出して、電子レンジで温めるだけです。

 

「安さ」

「入手しやすさ」と同じく大切な要因として、「安さ」があります。価格は手軽さを実現する切り札であり、安ければほとんどの人にとって、手に入りやすいからです。1,500円のCDを買ったり、15,000円のコンサートに行ったりするよりも、月額1,000円で多くの楽曲の中から好きな曲を聴くことができます。

 

このことから、「入手しやすさ」という簡便性と、「安さ」という経済性を足し算することで、「手軽度」が決まるのです。

 

最後となる4つ目は、“上質と手軽の選択には、「留意点」がある”について。

 

本書のタイトルは「トレードオフ」。そしてわたしたちは「上質さ」か「手軽さ」を天秤にかけながら、選択しなければなりません。

 

では、どうしたら、賢い選択ができるのでしょうか?

 

著者は、「上質と手軽」の選択を見誤らないための「5カ条」をあげます。

 

①テクノロジーの進歩を見落としてはいけない

②商品やサービスの成否は、目新しいかどうか、時流に乗っているかどうかよりも、上質と手軽のさじ加減で決まる。

③上質と手軽のどちらをどれだけ重視するかは、顧客層ごとに異なる。

④商品やサービスを小さく生むと、小回りが利くため、テクノロジーの進歩や競合他社の動きに対応しやすい。

⑤新しいテクノロジーは、必ずといってよいほど、不毛地帯で産声をあげる。

 

とりわけ押さえておきたいのが次の3つです。

 

①テクノロジーの進歩を見落としてはいけない

 

上質さと手軽さは、「テクノロジーの進歩」によって、絶えず引き上げられます。なぜなら、開発に時間がかかればかかるほど、商品やサービスが市場に登場するまでに、「上質さと手軽さの基準」が大きく変化するからです。

 

②商品やサービスの成否は、目新しいかどうか、時流に乗っているかどうかよりも、上質と手軽のさじ加減で決まる。

 

多くの企業は、世間を驚かせるような商品やサービスを考えます。社内で「すばらしい!」と絶賛されても、広大な市場においてカギを握るのは、「上質さ」と「手軽さ」です。「目新しいこと」「時流に乗っている」ことより、「上質さ」と「手軽さ」を軸にしているかで決まるのです。

 

③上質と手軽のどちらをどれだけ重視するかは顧客層ごとに異なる。

 

市場性を評価する時、上質と手軽は「顧客層」によって変わることを念頭に入れます。若者が手軽だと感じるテクノロジーは、年配者にとっては不便かもしれません。新しいもの好きにとっては、オーラをまとい極上に見えますが、そうでない人は、魅力的に感じないかもしれません。ひとつの観点からでは、脆弱な選択となります。

 

このことから、上質と手軽の選択を成功させるには、「テクノロジー」「上質と手軽の軸」「顧客層」がポイントだったのです

 

『トレードオフ 上質をとるか、手軽をとるか』のまとめ。

 

  1. 市場を「上質さ」と「手軽さ」の観点からみましょう。
  2. 上質とは、「極上の経験」と覚えておきましょう。
  3. 手軽とは、「簡単に手に入る」と覚えておきましょう。
  4. 「テクノロジー」に敏感になり、選択しましょう。

 

この動画では、本書の超重要なポイントのみに絞って解説してきました。

まだ読んでない人は、この機会にぜひ読んでみてくださいね。