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予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」(著者;ダン・アリエリー)

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今回取り上げる本は、「行動経済学ブーム」の火付け役となったゼストセラー『予想どおりに不合理』です。

 

「マニュアル通りやっても、なぜか売れない」「行動計画をつくっても、なぜかできない」従来の経済学では解明することのできなかった「人間の不合理性」を、行動経済学を使い、予測することで、問題解決へと導きます。

 

著者の「ダン・アリエリー」氏は、行動経済学研究の第一人者。デューク大学教授、MITのメディアラボの客員教授。

 

「人はなぜ不合理な決断をするのか?」について、メジャーな論文誌だけでなく、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、ワシントン・ポストにも研究が紹介されています。2008年には、イグノーベル賞を受賞しました。

 

ページ数は337ページありますが、私の場合はこの本を読み終えるのに、5時間かかりました。

この動画では、5時間を10分にまとめて要点を解説していきます。

 

この動画を見終える頃には、あなたは行動経済学の原点を知り、「わたしたちを動かすもの」の正体を知ることができるでしょう。

『予想どおりに不合理』の要点

結論から言いますと、この本の重要ポイントは、以下の4つにまとめることができます。

 

  1. 人は「相対性」で判断する
  2. 人は「最初」にアンカリングする
  3. 価格にも「プラセボ効果」がある
  4. 「報酬」をもらうと楽しくない

 

以降では、この4つのポイントを、具体例を交えながら深掘りしていこうと思います。

 

理由の解説をする前に、「行動経済学って何?」という人に向けて、少し説明をしておきたいと思います。

 

行動経済学とは、経済学では説明できない人間の不合理さを、人間行動を観察することで説明しようとする新しい経済学です。

 

例えば、「ダイエット計画を立てたのに、なぜかできない」というのも行動経済学です。理想の体型になるために、合理的にダイエット計画を立てたものの、いざ、実行するとなると、なぜかできません。

 

このような人間行動の不合理さを解明していくのが「行動経済学」なのです。

 

お待たせしました。それでは、本題に移ります。

 

1つ目は、“人は「相対性」で判断する”について。

 

人間の不合理さを追求する行動経済学。著者は、この人間の不合理さを理解するのに、欠かせないものとして「おとりの選択」をあげています。

 

「おとりの選択」とは、他より劣った選択肢や、あきらかに選ばない選択肢を提示させることで、意思決定を変化させる心理のことです。

 

人間は、ものごとを決める時、「絶対的」な基準ではなく、他のものとの「相対的」な優劣を基準として決定するといいます。

 

例えば、「松」「梅」という、2つのランクの商品があったとします。この場合、多くの人が「梅」を選択します。

 

しかし、この中に「竹」という選択肢を入れると、多くの人が「竹」を選択してしまうのです。つまり、人は「絶対的」な基準ではなく、「相対的」な基準で選択することがわかります。

 

自分が売りたいものの中に、“おとり”を紛れ込ませることで、自分の売りたいものが売れるというわけです。

 

「おとりの選択」によって、意思決定が不合理になってしまうのです。

 

2つ目は、“人は「最初」にアンカリングする”について。

 

「相対性」によって、人は意思決定に不合理性が出てしまうことがわかりました。しかし、人の不合理さはこれだけではありません。

 

「アンカリング」も意思決定に不合理性を出してしまう原因でした。

 

「アンカリング」とは、最初に提示された数字、または条件が基準となって、その後の判断を無意識に左右してしまう心理のことです。

 

「アンカー」とは、「錨(いかり)のことで、船がその場に止まるために「錨(いかり)」を下す様子から、その名がつけられました。

 

「【大特価】5万円のバッグが、今なら50%オフの2万5000円!!」という広告が目に留まり、本来、買うはずのないバッグを買ってしまった…。

 

これぞまさしく、最初に提示された価格によって、意思決定に不合理性をもたらした結果です。

 

著者は、「アンカリングは、どんな買い物にも影響を及ぼす」と述べています。たとえば、「住宅価格」です。

 

相場が安い都市から、ほどほどの都市に引っ越した人は、新しい相場に合わせません。今まで住んでいた家より小さな家や住み心地の悪い家などに住み、それまでの相場に見合った物件を選びます。

 

つまり、住宅価格相場にアンカー(錨)が下されているので、相場に相応しい買い物をするようになっているのです。

 

このように、人は「最初の価格にアンカリング」してしまうという、不合理性を持った生き物なのです。

 

3つ目は、“価格にも「プラセボ効果」がある”について。

 

「相対性」「アンカリング」人間の不合理は、まだまだあります。

 

突然ですが、ここでみなさんに質問をします。

 

Q.風邪には、どちらの薬が効くと思いますか?

 

A.お医者さんの薬

B.市販の薬

 

ほとんどの方が、「お医者さんの薬」と答えると思います。

 

「なぜか、お医者さんでもらった薬の方が効く気がする…」

 

これを「プラセボ効果」と呼びます。

 

実のところ、この「プラセボ効果」は「価格」にも影響するといわれます。

 

著者は、大学のジムの入り口に待機して「栄養ドリンク」を売るという実験を行います。

 

1つ目のグループは「通常の価格」で栄養ドリンクを売り、2つ目のグループは、「通常価格の3分の1の価格」で売ります。

 

学生が運動を終えた後、感想を聞くと、「通常の価格」で買ったグループの方が、「疲労感が少なかった」という結果になりました。

 

このことから、同じ栄養ドリンクにも関わらず、価格が与えた「プラセボ効果」は、人を不合理にしてしまうことが証明されたのです。

 

4つ目は、“「報酬」をもらうと楽しくない”について。

 

ここまでくると人間は、「合理性には程遠い存在ではないか」と思うのではないでしょうか?

 

まさにその通りで、人間の不合理さは最後まで続きます。

 

次は、「報酬をもらうと楽しくなくなる」です。

 

人は、もともと無償のことで動くことには寛大で、そこに「報酬」が発生してしまうと、途端に、やる気を失ってしまうという矛盾を持っています。

 

人々はお金のためより、信条のために熱心に働くことが根底にあるからです。そこには、「社会規範」と「市場規範」という2つのキーワードが関係していました。

 

「社会規範」とは、「ソファーを運ぶから手伝ってくれない?」「タイヤ交換するから手伝ってくれない?」など、友達同士の頼み事などがそれに当たります。どちらもいい気分になり、お返しの必要がないのが特徴です。

 

「市場規範」とは、賃金、価格、賃貸料、利息など、対等な利益がそれに当たります。支払った分に見合うものが手に入るという特徴があります。

 

著者が紹介しているのは、「全米退職者協会」の話です。「全米退職者協会」が、1時間当たり30ドルの低価格で、困窮している退職者の相談に乗ってくれないかと弁護士に声をかけました。すると、弁護士たちは断りました。

 

その後、アプローチを変え、「困窮している退職者に無報酬で相談にのってくれないか?」と声をかけると、ほとんどの弁護士が引き受けたといいます。

 

1時間30ドルより、「タダ」の方に軍配が上がったのです。

 

これは、お金の話が出た途端に、「市場規範」が生まれ、市場での収入に比べ、30ドルでは足りないと考えたのです。

 

しかし、無報酬という前提で話が進むと、「社会規範」が生まれ、引き受ける弁護士が出てきたのです。

 

このことから、人はギブアンドテイクを求めながら、「報酬」が出た途端にやる気を失ってしまうという側面も持ち合わせた生き物だったのです。

 

『予想どおりに不合理』のまとめ。

改めて、この本の超重要なポイントを押さえ、あなたが実際に行動に移せるようにおさらいしておきましょう!

 

  1. 「おとり」をビジネスに応用してみましょう。
  2. 「最初の価格」を前提に戦略を考えましょう。
  3. 「思い込みの力は絶大」と心得ましょう。
  4. 「報酬は必ずしも必要ではない」ことを頭に入れておきましょう。

 

この動画では、『予想どおりに不合理』の超重要なポイントに絞って解説してきましたが、これを機会に手にとって読んでみるのもオススメですよ。