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AI vs. 教科書が読めない子どもたち(著者;新井紀子)

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今回取り上げる本は、30万部突破、「2019年ビジネス書大賞」大賞に輝いた『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』です。

 

来たる「AI時代」に向け、「AIとはどんな存在なのか?」そして「AIは、人間に取って代われる存在となるのか?」を解説します。

 

著者の「新井紀子」氏は、国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。

 

2011年より、人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務めてきた人物です。

 

ページ数は287ページありますが、私の場合はこの本を読み終えるのに、5時間かかりました。

 

この動画では、5時間を10分にまとめて要点を解説していきます。

 

この動画を見終える頃には、あなたは「AIの基礎知識」と「AI時代に必要な力」を手に入れることができるでしょう。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の要点

結論から言いますと、この本の重要ポイントは、以下の4つにまとめることができます。

 

  1. 「AIは神になる」は誤解
  2. シンギュラリティは「来ない」
  3. 「中高生」の読解力が低下している
  4. AIに「奪われる」仕事は存在する

 

以降では、この4つのポイントを、具体例を交えながら深掘りしていこうと思います。

理由の解説をする前に、「そもそもAIって何?」という人に向けて、「AI」とは何かを説明したいと思います。

 

AIとは、Artificial Intelligenceの略で「人工知能」という意味です。

 

「人工知能」とは、人間の脳が行っている知的な作業を、コンピューターで行うことを指します。その定義は、未だ定まっておらず、「何をもってAIとするか」が明確ではないのです。

 

お待たせしました。では、本題に移りましょう。

 

1つ目は、“「AIは神になる」は誤解”について。

 

「ディープラーニング」「機械学習」など、近年、AIの活躍が世間を賑わしています。一方で「AIが神になる」「AIが人類を滅ぼす」「AIが仕事を奪う」などの噂が多く出回っています。

 

これに対し、著者は「AIはまだどこにも存在していない」と述べています。そもそも、コンピューターが行っているのは「計算」です。AIの目標とするのは、人間の知的活動を四則演算で表現するか、表現できていると感じる程度に近づけることなのです。

 

では、なぜここまでAI論争が起こっているのでしょうか?その正体は、「AI」という言葉と「AI技術」が混同して使われているからです。

 

「AI技術」とは、AIを実現するために開発されているさまざまな技術のことを指します。音声認識技術や自然言語処理技術、画像処理技術などがそれに当たります。

 

近年、この技術が格段に発達したことと、このようなAI技術を総称して、「AI」と呼ぶようになったことが重なり、「AIはついに誕生した」などという、噂が広まったのです。

 

このことからAIは、遠い未来ならともかく、近い未来においても、誕生することは原理的に無理な話だったのです。

 

2つ目は、“シンギュラリティは「来ない」”について。

 

「AIが神になる」という噂は、噂でしかないことがわかりました。もう一つ気になるものがあります。「AI論争」で必ずと言っていいほど登場する、「シンギュラリティは来るのか、来ないのか」です。

 

そもそもみなさんは、「シンギュラリティ」とは何か説明できますか?AI用語では、「Technological singularity」となり、「技術的特異点」と訳されます。

 

「技術的特異点」とは、「AI技術」ではなく、真の意味での「AI」が、人間の手を借りずに、自分自身よりも能力の高いAIを作り出すことができるようになった「地点」のことを指します。

 

ではなぜ、「シンギュラリティは来るのか、来ないのか」という論争が一人歩きしているのでしょうか?

 

それが、シンギュラリティ到来の不安を増幅させてしまった出来事にあります。「AIがチェスの世界チャンピオンに勝ってしまった」「プロ棋士が囲碁のゲームソフトに負けた」というニュースです。

 

「シンギュラリティが到来する」という言説が、このニュースによって世間にリアリティに受け止められてしまったことが原因だったのです。

 

しかし、著者はこの現象について、「シンギュラリティは来ない」と断言します。なぜなら

今のAIの延長では、「真の意味でのAI」は誕生することはないからです。

 

AIは所詮コンピューターに過ぎず、できることは「計算」です。現段階で、計算できることと言えば、「論理的に言えること」「統計的に言えること」「確率的に言える」ことの3つだけです。

 

このことから、私たちの脳が認識していることを、すべて計算可能な数式に置き換えることは不可能であり、それは「シンギュラリティは到来しない」ことを意味するのです。

 

3つ目は、“「中高生」の読解力が低下している”について。

「AIは存在しない」「シンギュラリティも来ない」ということがわかりました。そろそろ気になってくるのが、タイトルにも含まれる「教科書が読めない子どもたち」です。

 

「教科書が読めないなんてありえない」と思っているそこのあなた。

 

率直に申し上げますと「日本の中高生の読解力は危機的状況」にあります。その多くは、中学校の教科書の記述を正確に読み取ることができていません。

 

これは、著者が実施した「基礎的読解力調査」から判明した事実です。全国2万5000人を対象に、基礎的読解力を調査するための「リーディングスキルテスト」を行います。

 

「リーディングスキルテスト」は「係り受け」「照応」「同義文判定」「推論」「イメージ同定」「具体例同定」の6つの分野で構成されており、これらが理解できているかで読解力がわかるというものです。

 

テストの結果、「中学生の62%、高校生の72%が正解できた」のですが、これは、見方を変えると、中学生の3人に1人、高校生の10人に3人は「正解できなかった」という意味です。

 

この調査が行われた学校はすべて進学校であり、受験を控えた生徒たちが対象にも関わらず、3人に1人が「教科書を読む」ことができなかったのです。

 

とりわけ「係り受け問題」に関しては、AIの正解率は80%を超え、「照応」も急速に研究が進んでいるといわれます。

 

これを踏まえると、「AIに取って代われる時代」がすぐそこまでやってきていると考えられるのです。

 

4つ目は、“AIに「奪われる」仕事は存在する”について。

 

「AIに取って代われる時代」が近づいていると述べましたが、それはどんな時代か気になりませんか?

 

著者の考える「最悪のシナリオ」のひとつとして「ショールーミング現象」というものがあります。

 

「ショールーミング現象」とは、商品購入の際に実店舗に訪れて、現物を確認し、その店舗では買わずに、オンラインショップで購入することです。

 

例えば、「家電」です。家電量販店に行って、販売員から商品の説明を受けて購入する商品を決めます。そして、その店では買わず、スマートフォンで最安値の店を探して、通信販売で購入するパターンです。

 

現在、このような「ショールーミング」で購入する消費者が増えており、このような状況が続けば、販売店は最安値の店の販売価格に合わせなければなりません。自由市場において同じ値段になっていく「一物一価」に辿り着く時間が短縮されてしまうのです。

 

2017年、米トイザらスが破綻した原因が、「ショールーミング」が一因と言われており、駅前などに構える販売店は、不利にしかならないのです。

 

AI社会になると、すべてにおいて「最適化」が進むので、このような現象に拍車をかけてしまう恐れがあります。

 

AIによる「最適化」によって、家電に留まらず、ホテル、航空運賃、老舗ホテルなど数多くの企業が淘汰されると、著者は懸念します。

 

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』のまとめ。

改めて、この本の超重要なポイントを押さえ、あなたが実際に行動に移せるようにおさらいしておきましょう!

 

  1. 「AI」はまだ存在しません。
  2. 「シンギュラリティ」は机上の空論と理解しましょう。
  3. 中高生の3人に1人は「教科書が読めない」事実があります。
  4. 「AI」に仕事を奪われないよう「AIの知識」を身につけましょう。

 

この動画では、本書の超重要なポイントに絞って解説してきましたが、これを機会に手にとって読んでみるのもオススメですよ。